2026/08/04 17:56
有機農業とは、農薬や化学肥料を使わない農業のことです。
「農薬を使わない」というのはわかりやすいですが、「化学肥料を使わない」とは、どういう意味ががあるのでしょうか。
私たちは食べ物を胃や腸で分解してから栄養を吸収します。化学肥料はすでに分解されていて、水に溶けると点滴と同じように植物はそのまま吸収できます。
一方、有機肥料は、動物や植物を原料にしたもので、人間の食べ物と同じように、土の中で微生物が分解してから植物に吸収されます。だから、有機農業では「土の中に微生物がいること」が欠かせません。土壌消毒や除草剤を使用しないことは、微生物を守るという点でも重要です。微生物がいることで、それを食べる小さな虫が生まれ、さらにそれを食べる昆虫や鳥が現れ、畑の中に食物連鎖が広がっていきます。
また、原料のほとんどを輸入している化学肥料に対して、有機肥料の原料は国産が主体ということも大切なポイントです。しあわせ野菜畑では、近隣で集めた刈草や米ぬか、地域の魚や鶏肉の副産物などを活用して有機肥料を作っています。
「身土不二(しんどふじ)」という言葉があります。人の身体と土地は切り離せない、旬のものをその土地でいただくことが健康につながる、という仏教の教えです。
植物は光のエネルギーを利用して二酸化炭素と水から炭水化物を作り、根から吸収した栄養分をもとにアミノ酸やたんぱく質を合成します。そうしてできた食べ物を私たちが口にすることで、体が作られていきます。つまり、この土地の土と水と光で育った野菜を食べることは、体の内と外が同じになることを意味します。
畑で作業をしていると、自分の体が自然に溶け込む感じがします。そう思うと、「大概のことは大したことではない」と思えます。
有機農業の魅力とは、単に「農薬や化学肥料を使わないから安心安全」ということではなく、人が自然とつながって生きていることを感じさせてくれる、その豊かさにあります。
(NPO法人代表 大角昌巳)
時々、農場でお弁当を食べます。野菜を見ながら、その野菜で作ったお弁当を食べる時、なんだかとてもしあわせな気持ちになります。
