2026/08/07 19:08

有機農業は、農産物が自然の中で大地に根を伸ばし、多くの生命(いのち)と共に育ちます。農薬や化学肥料に頼るのではなく、土が育んだ力を受け、自らの力で育つ。その姿に、人や社会を健康にする可能性を感じています。

農業の担い手不足が課題となる一方で、有機農業に挑戦したいという若者は案外います。きっと、有機農業に生き方としての魅力を感じているからでしょう。しかし、その夢を仕事として続けることは簡単ではありません。栽培技術の習得には時間がかかり、販路も自ら切り拓かなければなりません。ようやく収穫できても、価格や見た目で選ばれる市場では、有機農産物の価値が十分に伝わらず、志半ばで離農してしまう人もいます。

「有機農業だから続かない」のではありません。続けられる仕組みが十分ではないのです。

私自身も販売先には苦労しています。「安心・安全・おいしい」は今では慣行栽培でも求められる価値であり、そこに「安い」が加われば、有機農産物は簡単には選ばれません。有機農業の本当の価値を伝え、応援してくださる人を増やすには、生産者一人の努力だけでは限界があると感じました。

だから私は、仲間や地域の皆さんと一緒に有機農業を支える仕組みをつくりたいと考え、「NPO法人 有機農業を広める会かけがわ」を設立しました。農業クラブや市民農園で担い手を育て、生産者同士が支え合うネットワークをつくり、食育や農場見学会を通して応援者を増やしていきます。

私たちが増やしたいのは、有機農業者ではありません。有機農業を続けられる人です。そのためには、生産者だけでなく、食べる人、応援する人、学ぶ人、それぞれが少しずつ関わることが大切です。

法人名に「かけがわ」と地域名を入れたのは、この取り組みが各地へ広がる願いを込めたからです。この小さな一歩が、大きな流れの始まりになることを願っています。

(NPO法人有機農業を広める会 株式会社しあわせ野菜畑 代表 大角昌巳 )

掛川市農協に有機農業部会「かけがわ有機農業の会」を設立しました。農協の直売所「さすが市

の中に「有機農産物専用コーナー」ができました。(2026年7月)